九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野

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九州大学泌尿器科専門医養成プログラムについて

専門医養成プログラムの目的・特色

当科では患者さん中心の医療を提供する事を第一の目的とし、その達成のために詳細な教育プログラムを設け、最先端で低侵襲の診断・治療法の導入と開発に力を注いでいます。各専門分野において臨床はもとより研究面でも優れた医師の育成に努めています。

専門医養成プログラムの全体的概要について

専門医研修期間を2年間の初期臨床研修修了時から泌尿器科専門医取得までの4年間に設定し、日本泌尿器科学会の専門医養成プログラムに沿った研修を基本とします。研修実施施設は九州大学病院を拠点とし、それに複数の関連施設を加えて行い、4年間の研修修了後(卒後6年目)に日本泌尿器科学会専門医の資格が得られるように研修していただきます。さらにその4年後(卒後10年目)には泌尿器科指導医の資格取得を目指します。
専門医取得後は後輩医師の教育を行いつつ、より専門的な領域に関する臨床および基礎的な研究を進め、卒後11年目には日本泌尿器科学会指導医の取得を目指します。この期間には大学院への進学、国内や海外への留学も可能です。研修終了後は各人の希望をもとに、大学をはじめとする施設においてサブスペシャリティ領域の診療・研究の発展、あるいは当教室の関連施設への勤務が可能です。

専門医養成プログラムにおける到達目標

後期研修期間に習得すべき一般目標には医療人として必要な基本姿勢・態度と泌尿器科診療における到達目標があります。(日本泌尿器学会HPより抜粋)

Ⅰ 医療人として必要な基本姿勢と態度
  • 1. 患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立し、適切なインフォームドコンセントを行うことができる
  • 2. 医療チームの構成員としての役割を理解し、同僚医師や他の医療従事者と協調した仕事ができる
  • 3. 患者の問題を把握し、問題解決のために必要な情報の収集と評価ができる
  • 4. 医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実践できる
  • 5. チーム医療の実践と臨床能力の向上に不可欠な、上級医あるいは同僚医師への症例呈示と意見交換ができる
  • 6. 医の倫理、生命倫理について理解し、適切に行動できる
Ⅱ 泌尿器科診療における到達目標

泌尿器科診療と手術手技に必要な基礎的知識を理解し、また基本的技術を習得する。

Ⅲ 習得可能な検査・手技
  • 1. 患者の診察(問診・理学所見、尿検査等)ができ、鑑別診断を想定しつつ検査・治療を行うことができる。
    また、適切な術前評価、手術適応の決定、術式の選択ができる。
  • 2. 内視鏡検査:膀胱内視鏡(硬性内視鏡、軟性内視鏡)、尿管鏡、腎盂鏡
  • 3. 超音波検査:経腹的検査(腎、尿管、膀胱、前立腺)、経直腸的検査(前立腺、精嚢腺)、その他:精巣、精巣上体、ソ径、腎血管血流など
  • 4. レントゲン検査:排泄性腎盂造影(IVP)、排尿時膀胱尿道造影(VCU)、逆行性尿道造影(RUG)、逆行性腎盂造影(RP)
  • 5. CT、MRI、核医学検査による泌尿器科疾患の診断
  • 6. ウロダイナミクス検査(下部尿路機能検査):膀胱内圧測定(CMG)、尿道内圧測定(UPP)、尿流量測定・残尿測定(UFM/RU)尿流内圧測定(PFS)
  • 7. 生検:前立腺生検、膀胱生検、精巣生検、腎生検、移植腎生検、表在リンパ節生検
  • 8. 内分泌検査、精液検査、尿道分泌物検査、前立腺液検査
  • 9. 泌尿器科緊急処置:尿道カテーテル挿入および尿道ブジー、尿管ステント留置、腎瘻カテーテル挿入、膀胱瘻カテーテル挿入、嵌頓包茎整復

経験年数や経験内容に応じて泌尿器科手術の全般を術者あるいは助手として経験することができ、安全で確実な手術手技の習得を目標とします。
また、予想される術後経過やおこりうる術後合併症に関して患者と家族に説明することができるようにします。

  • 1. 経尿道的内視鏡手術:前立腺切除術、膀胱腫瘍切除術、尿道狭窄切開術、膀胱結石砕石術、尿管結石砕石術
  • 2. 陰茎・精巣手術:包茎手術、精巣摘出術、精巣・精索水腫根治術、精巣静脈瘤根治術、精管結紮術
  • 3. 前立腺:根治的前立腺全摘術、前立腺摘除術(被膜下摘除術)
  • 4. 膀胱・尿管:膀胱全摘除術、膀胱部分切除術、尿路変更術(尿管皮膚瘻、回腸導管、新膀胱形成術)
  • 5. 女性泌尿器科手術:尿失禁防止術、骨盤臓器脱根治術、尿道カルンクルス切除術
  • 6. 腎、腎盂、副腎:根治的腎摘出術、腎部分切除術、腎尿管摘出術、経皮的腎結石砕石術、副腎摘除術
  • 7. 小児泌尿器科手術:小児膀胱尿道内視鏡手術、包茎手術、尿道下裂尿道形成術、精巣固定術、精巣・精索水腫根治術、膀胱尿管新吻合術、腎盂形成術
  • 8. 腹腔鏡下手術:腎摘除術、腎尿管摘除術、副腎摘除術、前立腺全摘術など多くの術式が腹腔鏡下手術へ移行しつつあります。後期研修医も助手として多くの経験を積むことが、その後の術者として安全な腹腔鏡手術の実施に不可欠であると考えています。
  • 9. 腎不全に対する手術:内シャント造設術、腹膜透析チューブ留置術、腎移植術

習得可能な資格

泌尿器科専門医認定に必要な研修期間は、卒後研修2年に泌尿器科専門研修(後期研修)4年を加えた計6年間(卒後満6年)です。卒後6年目に専門医認定試験を受験し、合格すると6年終了時点で日本泌尿器科学会認定専門医を取得できます。

専門医養成プログラムの実際

後期研修プログラムは原則的に4月1日からの開始となります。期間は4年間(日本泌尿器科学会の定める専門研修期間)です。初期研修の2年間に選択科として当科で半年以上の研修した方を除き、最初の年に最低6ヶ月間は九州大学病院泌尿器科で研修を受けていただきます。その後基本的に各施設を1年単位でローテートします。研修先の施設に関しては各個人の希望とそれまでの研修施設の特徴を勘案し、後期研修期間中に十分な内容の研修が可能になるように調節します。一部の施設を除き研修期間中の職位は常勤医として採用されます。

プログラム参加施設の概要

統括施設 九州大学医学部附属病院泌尿器科
関係施設 国立病院九州医療センター、佐賀県医療センター好生館、九州がんセンター、福岡赤十字病院、大分県立病院、済生会八幡病院、こども病院、製鉄記念八幡病院、浜の町病院、原三信病院、加野病院、九州病院、総合脊損センター、北九州市立医療センター、九州労災病院、県立宮崎病院、広島赤十字・原爆病院、九州中央病院
研修病院は、すべて日本泌尿器科学学会認定泌尿器科専門医制度教育指定病院です。これら関係研修病院と九州大学病院はリンクした形で研修の場を提供していきます。

入局後のスケジュール